2021年11月5日金曜日

人工授精についての訂正

 酪農家や獣医師のかたはすぐに気づいたでしょうが、ホルスタインはオスを産みません。

え、そんなことは出来るの? オス:メス=1:1で生まれるんじゃないの?

いやいや、家畜の繁殖についてはヒトよりずっと先を行っていて、採取した精液を超遠心してヒトでいえば X 精子のみを選別して使用するのですね。卵子は X なので生まれる子供はすべて XX となってメスとなります。

これは実はヒトでも可能で、X 精子と Y 精子を選別することは出来ます。男の子が3人続けて生まれたご夫婦が、どうしても一人は女の子が欲しいという場合、こうした精子の選別を行えばご希望を(100 % とはならないが)叶えることが出来ます。

しかし、ヒトの場合は倫理的な問題が生じるので、よほどの事情がない限り男女産み分けは(学会では)禁止されています。神をも恐れぬワザということですね。

遺伝子操作なんて家畜の世界では当たり前です。誰も損をする人がいない。生産者も消費者も大満足です。産業動物というのはそういうものです。

競走馬はそうはいかない。例えばディープインパクトの精液を体外受精でアパパネの卵子と掛け合わせてできた受精卵をまったく違ったメス馬の子宮に返すと、この優秀な遺伝子を持った馬がアパパネ以外のメス馬から産まれます。また、受精卵の遺伝子操作をしてここにエピファネイアの遺伝子を組み込むとか、荒い気性の遺伝子を取り除くとかすることも出来る。

そういう不正?が行われないように、競走馬はすべて野付けというルールがあるのですね。採精(精液を採取すること)は前立腺の刺激で容易に出来ますが、野付けはいつまでできるかという問題がありますね。体力が必要なので。

コントレイル、頑張ってね。





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