2008年10月20日月曜日

古楽器

このところリコーダーの話からバロック以前の音楽の話になっていますが、今回はピリオド楽器と呼ばれる、古楽器の話をもう少ししてみたいと思います。
ご存知のように私は「楽器オタク」のようなところがあります。
J.S.Bach の「音楽の捧げもの」Musikalisches Opfer, The Musical Offering という楽曲(組曲のようになっている)があり、その中のトリオソナタを家族で演奏したことがあります。
トリオですから3人で演奏すると思われがちですが、通常通奏低音がつきますので、4人で演奏するのが普通です。構成はバイオリン、フルート、チェロ、チェンバロですが、前3者にはすべて古楽器が存在します。
バイオリンは数億円もするストラディバリウスが有名ですが、それが完成される前にもバイオリン族はあったわけで、弦は現在のようなスティールではなくガット(羊?の腸)を使っていました。従って張力は弱く、音量も小さかった。チェンバロとピアノの関係と同じで、一般に張力が強くなれば音量は大きくなりサステインが長くなります。これを弓で弾くのですが、奏法自体が今とは違っていて、アタックが小さく胴が鳴り始めるまでタイムラグがありますので、ホワーンとした間の抜けたような音になります。が、これがヘンデルやバッハ、ビバルディの頃の通常の楽器だったのだから、その当時の楽曲はそうした古楽器(ピリオド楽器ともいう)で演奏するのが作曲者の意に従った正しい演奏である、というのが彼らの主張です。
フルートはもちろんフラウトトラベルソで、チェロも古いものを使うと。
さて、今ではいろんな演奏のものが CD 化され聞くことが可能ですから、いろいろ聞き比べてみました。
結論から言うと、どちらも良い。
古楽器のものには確かに「その当時はこういう演奏だったのだろうなぁ」と思わせるものがあり、耳に優しいというか、リラックス気分に浸れます。
で、モダン楽器の方がダメかというと、そんなことは全くなく、パイヤール室内楽団のものを聞きましたが、録音が良いせいもあるのでしょうが、大変にビビッドで音楽的な演奏です。「引き込まれてしまう」というヤツですね。
長くなりましたので、続きは次回に。

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