2022年1月30日日曜日

トラスロッド調整用のレンチ

アコギに限らずギターのネックは生き物で、保管状況や季節によって反ったり捻じれたりします。

ネックの元起きが起こったり、指板がうねったり捻じれたりした場合は、なかなか素人が手を出せずにリペアショップにお願いすることになります。

セットネックのギターではネックを外すこと自体が難しい。私がいつもお世話になっている工房ではアコギの場合、15 Fret の指板に小さな穴を2つ開けて、そこに蒸気を吹き込む。通常昔のギターは膠(にかわ)でネックとボディを接着しているので、熱によって膠が溶けて木槌でコンコンを叩いてネックを外すと。

しかる後、ネックの仕込み角を調整して再接着。私の D-42 1999 などは紙のシムが嚙まされていました。これじゃあナット側からのネックの振動が十分にボディに伝わらない。ネック材であるマホガニーの薄い板をテーパリングして適正な角度を得る。

指板は捻じれやうねりがあれば平らに削る。もちろんフレットはすべて抜くわけです。指板の両端のアールを適正に(奏者の好みによる)丸めて、フレットを打ち直す。この時にフレットの両端の処理をするわけです。きれいに丸まっていないとスライド奏法をした時に引っかかって下手をすると指が切れます。

さらに打ち込むフレットにもよりますが、頂部が台形になっているものはいけません。押弦した時に一点で接触しなければ正しいイントネーションが得られないし、音自体も悪い。丸く磨き上げる作業をクラウニングといいますが、これは手間暇がかかります。

このような作業は素人が手を出せるものではありませんが、トラスロッドを回すくらいなら誰でもできます。オークションの商品説明で、トラスロッドは回したことがありませんとか、弄らないでほしいという要望があって回していませんなどの記述をよく見ますが、んーんもんはどんどん回せばよろしい。

トラスロッドは回すためにあるのだから、それを回して不都合が起こるようなギターはギターとは言えません。

というわけで、画像にあるレンチを購入しました。1本は Gibson 用の 7.94 mm (5/16")のレンチで、もう1本は Martin 用の約 5 mm のレンチです。前者はメスだし、後者はオスですね。Martin のトラスロッドはネックエンドから回すようになっているので、普通のレンチでは届きません。

これらを使って Gibson と Martin のギター群のネック調整を行いました。ほぼ意図する弦高にすることができました。真っ直ぐでも弦高が高い場合はサドルを削るしか手はありません。私もだいぶ削りましたが、牛骨だと結構イヤーな匂いが出ます(笑)。Tusq なら大丈夫ですが、工房の社長は「やっぱ油浸した牛骨でしょう」と言います。12 fret で弦高を 1 mm 下げるにはサドルを 2 mm 削らなければならないわけで、そのための十分なサドル高が必要です。アコギの場合、ブリッジ付近の表板はどうしても多少は浮いてきますから、必然的に弦高は高くなる運命なのですね。

トラスロッドとサドルの調整でどうしても思うような弦高にならない場合は、ネックの仕込み角を変えねばならず、これは工房にお任せするしかない。参考になれば。





 

2022年1月25日火曜日

迷った挙句 Gibson Nick Lucas Model 1999 をポチった

小振りのアコギをいろいろ物色していましたが、Gibson Nick Lucas Model というちょっとニッチなギターを購入しました。L-00 のような外観ですが、2枚目の画像のようにサイド・バックはフレイム・メイプルで、胴厚が 10 cm 以上あります。メイプルのアコギは Gibson J-200 と Taylor 614 ce を所有していましたが、J-200 は親戚の弾き語り青年に進呈しましたし、614 ce はバンドメンバーの S 氏のところへ出向中です。つまりメイプルギターは現在家にはなくて、ちょうどよいのではないかと。

メイプルバックのギターは音離れが早くてパキッとした音の印象があります。高音域もキラキラしていい感じだし、中音域も充実していてバランスがよろしい(私見)。Martin にはメイプルバックってない? Gibson や Taylor は頑丈でネックの元起きや反りが起こりにくい印象があります。 今日・明日にでも届く予定ですが、1999 年製なので 23 年前の個体ですね。
Gibson にありがちな初期のとがった音が適度に落ち着いて見た目通りの渋いいぶし銀のような音がするといいんだけどなあ。
あ、つまり試奏せずに購入したわけですが、このモデルを試奏できる店は新潟ではまずないでしょうから。
楽しみです。









 

2022年1月23日日曜日

競馬は勝ったが 00-28 には程遠い

 本日中山競馬場では AJCC (American Jockey Club Cup) G2 が、中京競馬場では東海ステークス G2 が行われました。

このところ成績不振でしたが、今回は獲りましたぜ。AJCC は単勝1番と馬連 9 と 11 から6通りの 13 点で勝負。1 キングオブコージが最後の直線で鬼脚をみせてアタマに。ヒモには人気薄の 14 マイネルファンロンが入って馬連 1-14 は 34,330 円の高配当となりました。単勝 1 は 780 円ついて収支プラス 700 円と(単勝は 500 円、馬連は 200 円買ってましたので)。

で、東海ステークスは単勝 5 と、複勝 7, 9 をそれぞれ 500 円買ったところ、5 スワーヴアラミスが頭に入って単勝 5 は1,570 円つきました。おお、ラッキー! 収支 6,150 円のプラスと。合計 6,850 円のプラスとなりました(計算が合わないのはかみさんの馬券を少しだけ買っているため)。

これが 685,000 円のプラスだったら即 00-28 with LR Baggs Anthem いやいや、Taylor のオールハワイアンコアギターに入札したのですが、どうも 00-15E に落ち着きそう。ずいぶん足りませんけど(笑)。

低価格とはいえ、オール単板(トップ:シトカスプルース、サイド・バック:グラナディーロ)だし、Fishman のピックアップ・プリアンプ内蔵なので即実戦で使えます。

長岡市はまだ雪が 30 cm くらい積もっていますが、早く G1 が始まらないかなあ。フェブラリーステークスからでしょうかね。3月も下旬になれば雪はほとんどなくなります。桜花賞からのクラシック戦線も始まります。ワクワクするなあ。

雪が解けると何になるか?

普通の人:水、情緒豊かな子供:春






2022年1月21日金曜日

Martin 00-28 が欲しくなった

 

Seventy Seven のセミアコは購入してしまいました。詳細画像は後日アップしますが、大変気に入っています。Epiphone Casino Elitist (by 寺田楽器) とはまた違った趣があります。センターブロックが入っているので丈夫そうでハウりにくいでしょうし。

 セミアコはこれ1本しか持っていませんが、十分ですね。トップを含めてボディはすべてメイプルなので、パキッとした音も出ますが、耳に痛くない。プレイヤビリティも含めて実によくできた楽器だと思います。

 で、本来はアコギ弾きなのでアコギはたくさん持っていますが、体が小さいのでフルサイズのドレッドノートは私にはやや大きい。弾けますけど見た目がね。そこで欲しくなるのが 000 または 00 サイズのギターです。画像は Martin 00-28 ですが、これくらいのギターが欲しいなあ。

 実は 00-M という表板も含めてオールマホガニーの Martin を所有していますが、このサイズ感が良い。オールマホなのでとても優しい・柔らかな音がします。ピックアップも最初からインストールされていて即実戦仕様です。生音はサイズのせいもありそれほど爆音ではないが、そこがまた部屋で弾いてる分にはちょうど良い。ライブでは当然卓に繋ぎますのでね。

 00-28 はサイド・バックがローズウッドですが、全世界的に良質なローズウッドは入手困難になりつつあり、サペリとかオバンコールなどが代用されてきていますよね。00-16E というサイド・バックがグラナディーロという材で作られたエレアコ仕様のギターもあり、見た目はローズウッドのようです。価格は安くなるので触手が動きますが、結局自己満足感・所有欲を満たすかどうかとなると、今後入手困難になりそうなインディアン・ローズウッドが良さそう。

 競馬はこのところ G1 はなかったわけですが、成績はあきまへん。かみさんは先日「オニャンコポン」というふざけた名前の馬を単勝で買って当ててました。 1,620 円つきました。

 今週末は AJC 杯ですかね。まあお小遣いの範囲でまた遊んでみようと思います。




2022年1月13日木曜日

Seventy Seven に大いにそそられた

前回は Godin のセミアコが欲しいと書きましたが、いろいろ漁っているうちに日本製の Seventy Seven というメーカーのギターが目について離れなくなりました。

Deviser ですね、百瀬さんで有名な。

アコギでは Headway ブランドで商品を出しています。長野県の大町あたり? 天下のフジゲンと近いのかな?

写真の楽器は Exrubato-Standard-JT という機種で、実物を近くの楽器屋さんで試奏しました。

日本製のギターはすべてそうですが、実に作りが丁寧で演奏性が良い。指板、フレットの処理が完璧でピッチも正確です。ご覧のように 2 x ハムですが、アルニコの自社製ピックアップもジャズからロックまでカバーできそうです。ドライブしてもいい音でした。

定価 130,000 円でこのクオリティはまず考えられない。昔 Gibson ES-335 を所有したことがありましたが、作りも音も納得できずに売りました。200,000 円以上で買ったような記憶がありますが、ダメなものはダメです。

ストラト系のギターが増えたので、FGN のフラッグシップ・ストラトタイプを売ってこれを買おうかなあ。

ストラトはね、FGN の heritage wood(五大湖の底に眠っていた木)ネックのものを持っていて、もう1本は Three Dots という、これまた日本の知る人ぞ知るメーカーの S-S-H タイプを持っているので、それで十分です。

フルアコは1本持っていますが、ジャズを人前で演奏する機会はおそらく永遠に訪れないのではないか? だったらセミアコのほうが取り回しがいいし、汎用性があっていいんじゃね?

まあ、こういうのは病気なので仕方ありません。根治不能です。




 

2022年1月5日水曜日

Godin 5th Avenue が欲しい

ギタリストはコレクターとほぼ同義なので、次から次へとギターが欲しくなることになっています。

ジャズを人前で演奏することはまずないのですが(その技量もない)、部屋でポロポロとジャズギターの練習はしています。

Ibanez SJ-300 というフルアコを持っているのですが、もう少し小さくて薄くて軽い 1 PU のギターが欲しいと思っていました。そんな都合のいいギターはあるのか?

はい、あります。私の好きな P-90 1発のギターと言えば Gibson ES-125 あたりが定番なのでしょうが、中古市場でも 40 万円はします。

そこで画像のギターです。Godin 5th Avenue という現行機種ですが、ご覧のとおり P-90 1発でコントロールは Volume と Tone のみ。素材はカナダ産の wild cherry という木を使っていると。ボディサイズが ES-125 に比べてとてもコンパクト(従って重量も軽い)で私好みです。

新品価格で 10 万円を切りますからメチャ食指が動きます。実際に ES-125 と弾き比べをした動画を視聴しても何ら遜色はありません(私見)。

Godin はエレガットを所有していて、ガットギターの音が欲しい時に演奏していますが、とても演奏性が良く気に入っています。

こりゃあ金杯の成績を待たずにポチってしまいそうです。



 

2022年1月3日月曜日

Gibson J-160E が入院

ビートルズを演奏するときにアコギはほとんど J-160E を使用していました。5年くらい前にお茶の水の黒澤楽器 G'Club Tokyo まで見に行って試奏後に購入したものです。もちろん中古ですが、傷や打痕はあるものの演奏性や音もよくて即決しました。

で、ずっと気に入って弾いていたのですが、少し前から1弦 12 フレットのみバズるようになりました。アジャスタブル・ブリッジでサドルは自由に高さを変えられるのですが、かなり弦高を上げてもバズります。

これはいかんということで、知り合いのギター工房(ゼペット・ギター工房:新潟県南魚沼市六日町)に昨日搬入。ネックはやや順反りしており、私見ではやや波打っている感じがしたので、トラスロッドでの調整範囲を超えているかと危惧していました。

波打ったり捻じれたりしたネック(指板)はフレットをすべて抜いて指板そのものを平らに削り直し必要があります。また、ネック自体が捻じれていれば、アイロンで済めばいいがネックをボディから外して仕込み角を調整したりする必要があります。

そうなると大規模な修復となり、費用も 10 万円は覚悟しなくてはなりません。どうなることかと固唾を飲んで見守っていると・・・ネックの波打ちはトラスロッド調整でほぼ消失。しかし 13 フレットが浮いていて、バズりは変わらず。

で、この 13 フレットを抜いてみると・・・なんと打ち込み後に浮かないようにわずかに突出している返しがきけいに潰されているではありませんか! これは酷い。前所有者がリフレットした時に某工房がそのように処理したのですね。

これを打ち込み直すとバズはきれいに収まりましたが、つまりすべてのフレットでこのような処置がされていると見るべきで、そのうちいろんなフレットが浮いてくるに違いありません。

というわけで、すべてのフレットをリフレットし、頂点が完全に一直線になるように修復をお願いしました。試算費用は大変安くて正月早々ラッキーでした。なんかいい年になりそうです。