脳出血(視床出血)で倒れていたポンタ秀一さんが亡くなったと。享年70歳。
日本を代表するセッション・ドラマーだとずっと思っていました。高校時代に聞いた「赤い鳥」を始めとしてジャンルにとらわれずジャズや歌謡曲まで何でも参加。彼が叩いて世に出た曲は1万曲を超えるそうです。
私はドラマーではありませんが、一時期ドラムを習ったことがあります。多忙過ぎて半年くらいで止めてしまいましたけど。
その頃、彼のレッスンビデオを何回も何回も見直しました。最初に居酒屋で打ち上げ?風景から始まって、例の毒舌とユーモアで大いに笑わされます。
まあ、初心者向けではなく、手取り足取りのレッスンではありません。彼が強調していたことは(今から思えばドラムに限らずですが)呼吸と姿勢でした。
フロントマンはボーカルであれ管楽器であれ、必ず息継ぎをするわけです。ドラムも同じだと。どこで息を吸うのか、どこで吸ってはいけないのか?歌うようにドラムを叩かなくてはいけないと口を酸っぱくして強調していました。「もっと歌って・歌って」と。
ギターでも同じですね。息を止めて演奏してはいけません。少しずつ息を吐きながら弾いていって、フレーズの区切りで瞬時に息を吸う。
姿勢についても特にドラマーは間違った姿勢で叩き続けて、腰を痛めたり、腱鞘炎になったりした有能なドラマーをたくさん見てきたと。
ピアノでもそうですが、フォルテを弾くのは鍵盤をたたく強さではない。速さです。英語では Intensity ではなく、Velocity ですね。
彼は中学時代はブラスバンドでホルンを吹いていたらしい。私はクラリネットでした。何か彼の言うことはいちいち腑に落ちました。惜しい人を亡くしました。
YouTube では彼の演奏がたくさんアップされていますので、是非ご覧ください。プロのミュージシャンは「誰かに似ていて上手だね」は即ちダメということです。One and Only であるかどうかが勝負です。映像なしで音源を聴いて、あ、ポンタだねドラムは、と言われてナンボです。
合掌
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