2020年6月14日日曜日

全段差動式アンプは素晴らしい実力者だった



以前に書いた「どうにもオークションで入手した全段差動式アンプの音は使えない」というのは大間違いでした。
画像で確認できるように、このアンプには真空管の挿さっていないソケットが1個あります。
これなあに?
出費者に落札前に問い合わせたところ、初段と出力段のバイアス電圧などを調整するためのソケットだと。
え?それじゃどうやって調整するの?

はい、2枚目の画像で確認できるように、ボリュームの軸が2本出ています。
テスターをソケットの1番・2番ピンに挿して初段の、3番・4番に挿して出力段のバイアス電圧などを基準の電圧になるようにボリュームを極小ドライバーで回すのですね。右チャンネルは5番~8番にアサインされています。

ええー?そんなしち面倒くさいことをしなくても、そのままで普通の動作するんじゃね?
と調整をサボった私が悪かった。
時間があったので手作りの取説を読みながらこれらを指定通りに調整したところ・・・

おおー!素晴らしい音になりました。
全段差動式の面目躍如!
音質を表現するのは難しいけど、一言で言えばとても静かなアンプです。
まったく荒々しいところがありません。
すべての音が生々しさを残しながら艶っぽく響きます。

これはすごい!
テレビ用の聞いたこともないような出力管ですが、十分にオーディオ用に使えます。
これを設計した方はよほど真空管アンプに精通しているのでしょうね。

大満足となりましたが、さすがにこういうアンプは真空管アンプを一度でも作ったことある人でないと使いこなせません、多分。
回路図を見ても何がなんだか解らない、テスターを持っていない、差動式増幅様式って何だよ?という人にはとてもお奨めできませんが、とにかくいい音の真空管アンプが欲しいというマニアには堪らない逸品でした。



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